川口 典子ブログ

看護の現場に提案するキャリアコンサルティング

2023.05.09

 

看護の現場に提案すること

キャリア・コミュニケーション・サポートは、基本的に1つの事業所で働く人全員との面談を提案していますが、

看護の現場においては、看護師としての経験上集中して支援が必要と感じる立ち位置があるように考えます。

その立ち位置における全員がサポートを受けられることで、継続して働き続けられるようになるのではないかと期待します。

 

1年目看護師~3年目看護師まで

大学や養成校で看護師としての資質や専門分野の学びを経て国家資格である看護師免許を取得したとしても、

現場に出てみると学生のときとは全く異なる環境にさらされることになります。学生から職業人となること、さらに、さまざまな年齢の患者さんや先輩職員とかかわることになること、すべてにおいて予想していたこととは違う毎日を迎えることになります。

「そんなことはあたりまえ。だれでも同じ」と思われますか?

実はそうではないのです。

みなさんどなたも人との付き合い方に悩まれることはあるのではないでしょうか。それを無理してがんばればがんばるほど仕事に集中できなくなることがあります。特にリスクを回避しながら慎重に仕事をしなければならない看護師は、さらなるストレスが重なります。そうなると、もともと責任をもって看護師になっている人は特に、自信を失い、働き続けることができなくなってしまいます。

だとすると、人間関係のストレスを少しでも緩和できるとしたらいかがでしょう。それが日常に相談できる場がある。さらに、集団に話すのではなく個別で話すことで、「その人に合ったコミュニケーションの取り方」を一緒に見つけることができるとしたらいかがでしょう。随分ストレスは少なくなるのではないでしょうか。

 

さらに、「ご家族に勧められた」「なんとなく看護師になった」という人の場合は、特に困難に陥りやすくなります。自分には向いていないのではないかと思い始めるのです。

大学や養成校では、すでに看護師を目指して入学しているため、自己理解をしないまま就職まで経過している可能性が高いことが考えられます。(もちろん、高校の時にきちんと自己理解・仕事理解ができた状態で進学した人は別です。)

そこで、就職後早いうちに自己分析・自己理解をすることで、看護師に向かないと思い込んでしまうより先に、自分の強みや得意を看護職にどう活かすかを見出すことができれば、その先のキャリアマップを描くことも可能になると考えられます。

 

指導的役割の看護師

就職してある程度の年数が経過すると、新人の指導を任せられるくらいの技術が身につきます。しかし、指導者は経験年数を経たらだれでもよいというわけではありません。やむなく指導者になっている人もいるかもしれません。教えることが得意な人とそうでない人は少なからずいます。これも自己理解につながることですが、教えることが苦手な人は指導者としての立ち位置が苦痛でしかありません。3年目までの相談支援によって自己理解が深まると、指導者をやってみようと思うのかどうかも見えてきます。すると、自分の中長期的キャリアビジョンを描きながら主体的に指導にのぞむことができるようになります。さらには、自身のこれからのキャリアビジョンを描くお手伝いを受けることもできます。それが可能なのは、キャリア・コミュニケーション・サポートの支援者は、看護師の資格と経験があるからです。

 

主任的立場の看護師

看護職のリーダー的役割を担いながら中間管理職と職員との中立的立場でいることで、どこに相談しようもない思いで働いている人もいらっしゃるのではないでしょうか。自身の希望での立場であればよいのですが、そうでない場合、かなりのストレスを背負って仕事をされていることとお察しします。経験が豊富なため適任であるのでしょうが、もし、はけ口である相談の場があり、自身の仕事の整理をすることができたらいかがでしょう。さらに、管理的立場に向かうことによるキャリアビジョンおよび、リスキリング等、自身のキャリアを一緒に整理できる場があるという日常を提案しサポートする、それがキャリア・コミュニケーション・サポートの役割です。